W杯招致活動を機に広範な盛り上げを
 

熊本県ラグビーフットボール協会
会長  笠 日出臣


 2014年4月20日、総会で会長に指名され会議場に入った途端、独特の張り詰めた空気とエネルギーを感じました。皆さんのこの生真面目さと 熱心さは一体どこから来たのでしょう。自分はこの世界に入っていけるだろうか、と少々不安にも思えました。翌日から、協会の役員諸氏と県や 熊本市、体育協会、マスコミ各社と挨拶回りを重ね、また、いくつもの委員会に出席して、皆さんの日常業務と協会業務の「兼ね合い」 に厳しさと忙しさを汲み取ることができました。協会業務をもう少し整備出来ないものか?もう少し楽しく活動が出来ないものか? これが私の命題ではなかろうかと思うようになりました。そこで、私の好きな”夜の部“で直に話を聞き、電話やメールを駆使して 意見の交換を始めました。「現場のホンネを聞く」ことは、私の人生訓でもあります。どうか皆さん、遠慮の無い、創造的な意見をお聞かせ下さい。
 3ヶ月後、7月20日、華やかな街中企画を実行しました。350名ほどのラグビーファミリーが上通りから新市街までをパレード。くまモンと 九学チアリーダーの協力を得て、「W杯ラグビー!イン熊本」のシュプレヒコール、そして可愛いスクール生からシニアの熊惑クラブ迄、 世代を連ねたジャージー姿の笑顔が市民の注目を浴びました。参加した皆さんの楽しい高揚感が伝わりました。
 さて、今年度、熊本ラグビー協会に課せられたテーマは、①底辺の拡大 ②W杯招致活動 ③財政健全化 ④応援・後援組織の再構築 と 考えられます。しかも、この4件は相互に関連しながら発展します。例えば、応援・後援組織が広範囲に拡大され活性化すれば、 協会への経済的支援が強化されます。後援組織内に企画部門を作り、それが機能すれば、アマチュアリズムの精神から協会自身は取り組みにくかった 協賛企画がやり易くなるでしょう。また、マスコミ系の会員が広報部門で動いてくれれば、媒体を通して効果的なアピールが可能になります。しかし、 どのテーマもゆっくりと構想を練るヒマはありません。
 中でも、W杯招致活動はもう走り出しています。10月にプレゼン、来春3月には開催都市が発表される見通しです。半年ほど前に、 東北の被災地番組を見ていたら仮設住宅の壁にW杯招致の手書きのポスターが貼ってあるのを見つけました。何気ないシーンの中に 強烈なアピールが感じられます。このように全国各地で特色ある招致合戦が展開されています。我が熊本はインフラの面では、 まずまずの評価を得ることが出来るでしょう。一方、市民挙げての招致運動はどうでしょう。「すきたい熊本協議会」の皆さんには 大いに感謝しつつ、熊本県、熊本市、県協会が核になって数ヶ月を実り多い期間にしなければなりません。
 最近、スポーツのビッグイベントの世界で“レガシー”という言葉が使われるようになりました。この概念は、 これだけのカネとテマをかけて我々は次世代に何を残すのか?この運動がどういう効果をもたらすのか?という思想です。私達の今回の 招致運動は決して一過性のものでなく、招致運動を契機としてどれだけ広範な市民が熊本のラグビーを愛するようなったかという実績を作るのが本質だと思っています。
 今回は昨年の総括や実績について触れませんでした。悪しからず、ご了承ください。

2014盛夏・記