楽苦美コラム:ウォーターブレイクNo.12
Samurai Twitters Vol.12

「避けて通れないもの」

サムライヒロ



「この世で避けて通れないものがある、それは、死と税金。 “Nothing is certain but death and taxes.”」とはベンジャミン・フランクリンの言葉です。ラグビーを人生に例えるなら「ラガーマンが避けられないものがある、それは、敗北と怪我。」といったところでしょうか。決して負けないチームはなく、まったく怪我をしたことのないプレヤーはいないでしょう。ラグビーの敗北は人の死とは違い、個人やチームの修正点がはっきりしたり、負けた悔しさがバネとなり、次の勝利に向けた大きなステップとなります。一方、「怪我」はどうでしょう。
IRB の試合規則には、「ラグビーフットボール競技は、身体的接触を伴うスポーツである。身体的接触を伴うスポーツには本来危険が伴う。」と書いてあるだけで「怪我をする。」とは書いてありませんが、ラグビーは怪我を伴うスポーツです。怪我の伴うスポーツだからこそ、それに備えることが必要です。怪我をしない体づくりや指導をすることが最優先ですが、プレヤーやコーチ,監督だけではなく、家族や恋人、そしてドクターなどラグビーに携わる全ての人々が、怪我をした時のことを考え備えてこそラグビーが成り立ちます。
ラガーマンには避けて通れないものがある。それは敗北と怪我。しかし、それらを乗り越えることにより、もっと大きなものを得る。ラグビーの「怪我」に対する考えや備えは、富の分かち合いとも言える「税金」とラグビーの「精神」を分かち合う点で近いのかもしれませんね。
再び、IRB 憲章より「ゲームの精神は、規律、自制、相互の信頼を通してこそ繁栄するのであり、ラグビーのような身体的に激しいゲームの中においては、これらの資質がゲームの将来における成功と生き残りにきわめて不可欠な友情とフェアプレーの感覚を築くのである。」

写真は、ロンドンラグビーミュージアムに展示されているラグビー場にある医務室です。医務室というよりは手術室な感じがします。